最近、旦那様の浮気が異様に目立つ気がする。とても目立つ気がする。
コレはどうにかしなければいけない気がする。しかしあの人の浮気する理由もわかる。だって、夫婦の営みがないんだもの。いや、したいとは思うそれはもう、とても。だけど
―――あの人、手を出してこないんだよなぁ。
私から誘ってもみたがアイツ、手を出さないのだ。どうしろと。そもそもさすが武士だというべきなのか、理性が鋼すぎてヤバい。誰か私に魅了スキルまたはアストルフォくんを評させてほしい。理性蒸発万歳。
あ、なんか腹立ってきたなだんだん。
料理箸がボキッと手の中で嫌な音を立てて、ぴょこんと久しぶりに白銀の耳としっぽが姿を現して不機嫌そうに揺れる。
このご時世、男は浮気してなんぼって風習がある。ちなみに女性が浮気すると投獄される。なんだこの、男尊女卑。
食器に料理を盛り付け終わり、ふぅっと息を吐くと、私は、まさか自分が書くとは思わなかった言葉を紙に書いて家を出た
【実家に帰らせていただきます】
▼▽▼
「すまんかった」
「次はないです」
本当に次はないぞお前。
※すでに三回は見逃してる。
prev next
目次に戻る
bkm
夢小説置き場に戻る