広がる宇宙




「君は今いくつだ?」





「15だ。
それで中学三年生。」







受験やらなんやらを考えなければいけない面倒くさい日々。
そんな日々に、いい加減飽き飽きしてくる。










「そういうカミュは?」








「私は20だ。」






「…もっと上かと思った。」






「よく言われる。
親友には“老け顔”などといわれてるしな。」









苦々しい顔で言われて、笑ってはいけないのだろうが思わず笑ってしまった。









「くはッ…!
その人、面白いね!」








「あまり私は笑えないのだが…」






「いいじゃん。
そういう面白い人が親友でさ。」






「…確かにな。」










ふと、カミュが遠い目をする。
その遠くを見るような顔には少し後悔とかそういう感情が入り混じっているように見えた。










「…。」





「クレハは」





「ん?」










遠い目をしたカミュは私の事をまっすぐ見てきた。
反射的にそらしたくなったが、その射抜かれるような目に、顔をそむけることが出来なかった。









「小宇宙を感じたことはあるか?」






「…コスモ?
それって、宇宙ってことかい?」








漠然とした言葉に、私は困惑した。
だけど、その言葉はなんとなくだが、理解することが出来た。











「…そのコスモじゃないかもだけどさ。
聞いてくれるかい?」







「あぁ。
ぜひ聞かせてくれ。」









私は一呼吸おいてから、話す。
感覚で感じてきたことを言葉にするのは、なかなか難しい…。










「自分の中に、炎を感じるんだ。」




「…炎?」







「あぁ。
燃え盛るように熱く炎。
それは昔のトラウマからきてるものだとは思うんだけど…。
その炎の中に、よく分からないけど…星が見えるときがあるんだ。」








「!」












この間は女性だった気もする。
だけどその女性からも、まるで宇宙みたいに圧巻的な存在感を感じることが出来た気がする。












「“炎”は始まり。
この世界の始まりとして、昔から語り継がれるもの。
そして宇宙は、“世界”すら作るもの。
作ったものはちがくても、どちらも“始まり”を示すものだと思うんだ。」













それは、夢の見すぎかもしれない。
だけど自分はそう思える。











「それともっと変な話…自分の中に宇宙が広がってる気もするんだよね。
なんか、厨二病みたいだけど…。」










「…君も、小宇宙に目覚めているのか。」







「…何が?」











カミュはしばらく何かを考える。
その表情の険しさに、声をかけることはできなくて、カミュが話し始めるのを待った。













「…もしも、内に広がる宇宙のことを知りたければ私とこないか?」








「え…?」









「私とともに聖域に行き、そして聖闘士とならないか。
己の中に広がる宇宙を見定めるために。」


























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