思い出す、温かさ




「と、もだち?
 そんな、おそれ多い…。」
「そんな事気にしなくってオッケーですって!
 私の中に女神とかいう奴がいるっぽいけど、正体は普通の小娘だから!」
「・・・・」
「だから、良いですよね?」



毒を恐れず、こうも近づいてきてくれた人間などいただろうか?




「一人じゃ、悲しいですよ!」



誰も近づけず、一人で生きていこうとした。
それは、間違いだったのかもしれない。



「サナエ様…」
「あ、サナエでいいですよ。
 私の方が年下だし。」
「そうか…。
 ならば、私の事も呼び捨てにして欲しい」
「・・・え?
 でも、悪いですし…?」
「友だちならば、敬語やさんづけなどいらないはずだが?」
「アルバフィカさん…。」



心を開いてもらえた。
ただ、それが嬉しかった。




「うん!そうだね!アルバフィカ!!」



人と接することが、こんなにも楽しいという事を忘れていた。



「ありがとう、サナエ」
「え、なにが?」
「いいや、なんでもない。」




それをすべて、貴女が私に思い出させてくれたのだろう?
サナエ。







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