救い出してくれたのは



男たちが一歩一歩距離を詰めてくる。
逃げ場がない。
迫る恐怖にただ身を縮こませた。
その時、



「女の子に無礼を働こうとは、中々不届きな奴らじゃのう。」



いきなり真上から、声がした。



「!」
「な、何者だ!」



上を見上げると太陽の光に反射して、
眩しい光を放つ金色の鎧を着た人がいた。
その人は建物の屋上に立ち、こちらを見降ろしていた。



「ッな、黄金聖闘士だと!?」
「何故、ここに!?」

「ちなみに言っておくが、もう一人の仲間ならもういないぞ。」


「何だと!?」
「ッチ…チクショー!!」


男の怒号がして、思わず固く眼を瞑るり、耳を塞ぐ。
しばらくたって、静かになったのでゆっくりと目を開けると、そこにはの黒い鎧の人間はいない。
代わりにいたのは、真上に立っていたはずの金色の鎧の男がいた。

目が合った私は思わず震えると、その人は人懐っこい笑顔を浮かべた。



「もう大丈夫じゃぞ。」
「え…?」


「大変じゃったな。
 わしは童虎。アテナに仕える黄金聖闘士じゃ」


聞いたことがない言葉を、つられて小さく追って口に出す。


「・・・・アテナ?聖闘士?」
「まあ、知らないのも当然じゃろうな。・・・・・・ふむ」


「どうか、しましたか。」


私を見てじっと無言になった童虎と名乗った男性。
い、いきなり黙りこらないでください。
なんか、よくわからないけど不安になります。


「おぬし、儂と共に聖域に来てくれんか?」
「は?」


いきなりの提案。
だけど言ってることの意味が分からない。


「本来ならば部外者を聖域にいれるわけにはかんのだが…少し気になることあってな。
 それにおぬしをここに置くのは危険すぎるからのう。」
「危険って、何が?」
「おぬしの小宇宙は、特殊すぎる。
 また、あやつらに狙われるやもしれん。」
「あやつらって…?」
「先ほどお前を襲おうとした奴らじゃ。」

ひゅ、と息を飲んだ。
止まっていた震えがまた足元から湧き上がる。

「…嘘でしょ?」


あんなのが、また…?


「残念だが、本当じゃ。」


な、何が何だかわからないんだけど。
大体…何で私なんかが狙われるわけ!?
悶々と悩むが、今はそれよりも聞かなければいけないことがある。


「聖域って、一体…」
「アテナ様が守る土地じゃ。
 そこにいれば、おぬしの安全は確保されるじゃろう。」


「い、行きます!」



またあんな鎧の人たちに襲われるなんて、勘弁だ!
だったらこの童虎さんと一緒にいたほうが安全だと思う!


「決まりじゃな」


満足げに頷いた童虎さんが、私に手を差し出す。


「よし、それでは行くぞ」
「は、はい!」


差し出された手を、私はとった。









                 

-7-








back
しおりを挟む


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -