発見!風のコア! あたし達はその後無事、ユナ達と合流し、砂漠の中の市場に来ていた。 色んな人が笑顔でいるこの空間が、よくわかんないけど懐かしく感じる。 「ぅわぁ…皆うまそうだぁ…。」 「さっきからそればっかり。」 「なぁ―!何か食わせてくれよぉ!」 「もぉー!」 買う買わないとじゃれるユナと光牙を少し後ろから見る。 しっかりもののお姉さんと無邪気な弟のような会話は見ていて面白かった。 「あはは、親子みたいな会話だね!」 駄々っ子光牙とオカンなユナ…お似合いじゃんか! 「親子じゃないわよ! …まったく、あんたたち旅の目的忘れてない?」 「腹が減っては戦は出来ぬっていうだろー?」 「たちって…。 何であたしまでカウントされてる?」 毎度のことながら、とばっちりくらいやすいなぁ。 なんてげっそりしてしまった。 「それによ、旅の資金はユナが預かってんだ。 だから頼むよー!」 「だめったらだーめ!」 再度駄々をこね始める光牙と怒るユナ。 …おまえら、マジで親子か? 「ほわァ…。」 そんな喧騒をよそに、果物を売ってる店でアリアちゃんが立ち止った。 興味深げに林檎を手に取る。 「お、アリア!それが欲しいのか?」 「わあ、美味しそうだね! あたしも食べたい!」 林檎大好き! 「駄目駄目!買ってくれないって・・・どわぁ!?」 先ほどの駄々が効かなかった光牙が否定するが、後ろに居たユナが光牙を突き飛ばした。 「良いのよ!アリアなら何でも買ってあげる! ホタルも、欲しいなら買ってあげるわよ! おじさん!コレ二つ下さい!」 良い笑顔で財布を出してリンゴを買い求めるユナ。 ・・・・ユナ、キャラ変わりすぎじゃありません? 光牙が哀れでならないんだけど。 「ほわァ…綺麗…。」 林檎の赤に、見惚れるアリアちゃん。 それに倣ってあたしも手元の赤い林檎を見つめる。 …林檎、かぁ。蠍座の彼が好きだったなァ。 「ん?」 アリアちゃんの後ろに、物欲しそうな目で見る少年が立っていた。 それに気がついて、林檎を差し出した。 「わーーい!」 嬉しそうに林檎をもらった少年は兄弟らしき子たちの元に帰る。 その光景は物がなしいながらも美しい光景だった。 「アリアの優しい小宇宙…。」 「あんたとは、ちがう光だね…。」 和やかな空気に、浸っていた瞬間 ブォォッ 砂を巻き上げた豪風が、市場を駆け巡った。 「っあ!?」 そのさなか、アリアちゃんが何かに気がついたのか、風の向きと同じ方向に走り出した。 「アリア!?」 「アリアちゃん!」 それに気がついた光牙といっしょに、アリアちゃんのあとを追った。 「っぁ!?」 「あれは…。」 風が吹いていった方向。 そこに、緑色の光を天に放つ明らかに怪しい建造物があった。 しかも、それはここら辺の小宇宙を吸い込んでる…。 「あれは、小宇宙を吸いあげられてるのか!?」 「この土地の小宇宙はやがて消える…。 そうなれば、多くの争いが起こる…。」 「…争いが。」 「マジか…。」 なら、もうやることは一つじゃない? 「あれを止めることができたら…!」 「そんな悲しいことを止められるってわけだね!」 良いじゃん!明快で! なら、早速行こう! ユナと蒼摩と合流して、あたしたちは小宇宙が吸い上げられている元凶に向かった。 ← → back 141/51 |