侵入!風のコア! 目的地、この地の小宇宙を吸い上げてるってところに来たはいいんだけど…。 「ここが・・・・。」 「なんて巨大なんだ…!」 それは、巨大な竜巻だった。 って、えぇえええ!? 「なんだ、こりゃぁ!?」 「ここで小宇宙を集めてるんだわ…。」 この竜巻の中で? 「この中に、地上の小宇宙を集めてる五つのコアの一つ…風のコアがある。 マルスが作った恐ろしい装置…。」 ・・・・この中、ですか。 まじで? 「どうしますー?これ…。」 「分からないわ。どうやって中に入ればいいのかしら?」 アリアちゃんとユナとで作戦会議してると、いきなり光牙が竜巻の中に飛び込んだ。 「ちょ!?」 なにしてんの!?という言葉より早く、 吹き飛ばされた光牙がこっちに吹っ飛んできた。 それがちょうどあたしの頭の上めがけて飛んできたので、数歩下がって落ちてきた光牙をよけた。 「光牙!」 「ッ…駄目だぁ…。」 「なるほど、普通に入るとふっ飛ばされるってわけか」 「そんなこと冷静に判断する前に、受け止めろよ!」 「だってあんたが勝手に突っ込んだんでしょ? なら、報いは自分で受けるべきだよ。」 ま、ホントにやばかったらちゃんと助けたけどね。 「う―…」 八方ふさがりかと思われた状況だったが、 今の状況を冷静に見ていたユナが声を上げた。 「これを止めるには、風の属性である私の出番ね!」 聖衣をまとって、竜巻と向き合うユナ。 「みてなさい!ビバイントルネード!」 竜巻とユナが巻き起こした風がぶつかりあう。 改めて思う、属性ってすげえ! 「ユナ!大丈夫か!?」 「やっぱダメだったか!?ユナ!」 風に押し負けて地面に降りたユナに、あたし達は駆け寄った。 一見、失敗したように見えるけど…。 「本当にそう見える?」 「!」 竜巻の中に一本道が出来ていた。 さすが!仕事ができる女は違うね! 「いくわよ!」 「うん!」 あたしは、男二人組が何かを言う前にユナについていった。 多分、あの二人のどっちかがアリアちゃんとお留守番になるだろうな…。 ―― 「あ、なに?蒼摩を置いてきたの?」 「おまえ!とっとと先行きやがって!」 竜巻の道を走ってたら、光牙が追いついてきた。 やっぱきたのは光牙か。 予想はしてたけどね。 「だってアリアちゃんを連れてくわけにはいかないから、 誰か一人がアリアちゃんを守らなきゃでしょ? あんたら二人ならまず間違えなくあたしに押し付けると思ったから先にね」 図星をつかれたのか言葉が詰まる光牙。 あんたが考えそうなことなんてお見通しだぞ! 「グッ… ってやべえ!これ道閉じるぞ!?」 「あ、ほんとだ。」 狭まる風の道。 あたしと光牙は閉じる一歩手前に、何とか竜巻の中心に入ることができた。 「ぐ!」 「よッ…」 跳び込んだ拍子に前のめりに突っ込む光牙。 聖闘士らしからぬ間抜けな姿に、思わず呆れてしまった。 「…かっこ悪」 「う、うるせえ!」 顔をあかめる光牙。 若干自分でも恥ずかしかったらしい。 だがそんな表情も異質な内部を見てすぐに元に戻った。 「! …ここは…。」 「なんかの、機械?」 竜巻の中心で機械らしきものがすごい勢いで回転してる。 あれが何かはわからないが、明らかに普通ではない。 もしかしてあれが? 「あれが風のコアの装置…。 あれを壊せばっ!」 「…そういえば、ユナは?」 その言葉に光牙もはっと周りを見渡す。 あたし達より先にここに来たはずだよね? 「わかんねぇ…。 どこにいるんだ?」 「ユナぁ―――!?」 …やな予感がする。 大丈夫かな? ← → back 141/54 |