授業



くそ!授業なんてサボる気満々でいたのに…。
あ―ーーー…。めんどくさいなぁあーーー。
体育館のような所に集められたあたしたちは体操座りで教師を待つ。
 

「あーめんどくさいーーー。」
「それでは、授業を始めます。」

やってきた先生はインテリ系なひと。
きらりと光る眼鏡は、神経質で粘着質層に写った。・・・・一番あたしが嫌いなタイプだ。


「おや、龍峰くん。
 体調の方は大丈夫なのですか?」

…ん?体調?
どこかわるいの?


「…どっか悪いの?」
「うん。
もともと体が弱くて。」
「そうなのか…。」
「大変だねぇ」

それは、大変だね…。


「静かに。
 私語は慎みなさい。」
「あ、すみませーん。」


あ、怒られちった。


「では、聖衣を腕に装着。」
「はい!」


…腕に?
この石の状態でどうやって??? 
やり方が分からず、戸惑うあたしと光牙。
しかしほかの生徒は慣れたような動きで腕だけに聖衣を装着した。


「腕だけってどうやってやるんだ?」
「しらない。
 あたしのときは、パンドラボックスだったから…。」


この石の状態で腕だけって、無理じゃね?
悩むあたしたちに龍峰君が声をかけてくれた。


「装着したい場所に、意識を集中させるんだ。
 龍座聖衣!」

そういうと龍峰君の腕だけに聖衣が装着された。
おお、本当に腕だけだ。
原理が分かったなら、実践あるのみだ。

「んじゃあたしも。
 南冠座聖衣!」


パッと白銀の聖衣が腕部分にだけ装着された。
案外簡単にできた!
隣の光牙も無事にできたようで嬉しそうな顔をしていた。

「やったぜ!」
「できたーー!」

なんかすごい嬉しいわ!
盛り上がるあたしたち、近づいてきたインテリ眼鏡が馬鹿にしたような顔をした。


「聖闘士たるもの、出来て当然です。
ソレぐらいで騒がないでください。」

静まる光牙と、不愉快に顔を歪めたあたし。
人が折角喜びに浸ってるのにっ!
てか、出来たんだからそれでいいじゃねーか!

「…人に教えるのに向いてねえ眼鏡だな、おい。」
「何かいいましたか?」
「いーや、別に?」

小さく呟いた言葉は、地獄耳には聞こえていたらしい。
まあ、別にいいけどさ。

「…授業を進めます。」

次はなんだろうか?
興味津々で待っていると、黒い柱が正面に建った。

「っ!
 なんかたった!」
「ギリシャの奥深くの地層から見つかった鉱石・スターダストサンドを加工したものさ。
 硬さは青銅聖衣に近いよ。」
「ふぅーーん、あれを壊せばいいの?」

青銅聖衣クラスだったら一発殴れば十分だな!

「属性準備!」

・・・え?属性?
もしかして、これ属性使わなきゃいけないの!?
ぎょっとするあたしたちを置いて、他の生徒たちは遠距離から属性技を黒い鉱石に当てる。


「えー…あれってさわっちゃいけないの?
 あたし属性とか出したこと無いんだけど。」


積尸気の技って、属性に入ります?


「俺も、まともに出したことねえ。」

困ったように立つあたしたちに、龍峰が笑いかけてくれる。

「…ねえ、こんなにたくさんの属性一度に見るの初めてだろ。」
「うん。」


だってついこの間まで属性すら知らんかったし。

「火、風、雷、土、水…。」


龍峰君の手から出た水は、石柱をあっさり壊した。
仮にも青銅聖衣と同じ硬さの石をいとも簡単に壊した破壊力は、目を見張るものがある。
まともに食らったらやばいかもなぁ。




「そして、光と闇」











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