対面 光牙を宥めてからユナにばれないように自分の部屋に戻って、 少し寝ようとうとうとした段階でユナにたたき起こされて結局寝れなかった…。 くっ…もう少しだけ寝たかった! 「あー…授業とかめんどくさい。 サボっちゃおっかな―ー?」 その上授業とか、だるいし…。 授業はじまるまで寝てよっかな―? 始まったら速攻で逃げれば、大丈夫だし…。 「パライストラを出ていこうとしただぁ――!?」 背後から蒼摩の叫びが聞こえた。 …ああ、その話し早速してるのね。 てか誰かに聞かれたらアウトじゃんか、それ。 場所考えろ! 「お前それ先生にばれたらどえらいことになるぞ!?」 「停学処分じゃ済まないわね。」 「ふぅん…。 まあ、その時はホタルも一緒だしいいよ」 「ふうんって!!」 「おいこら、あたしまで道連れにすんな」 反省する気、ゼロでしょ。 まあ、光牙だししょうがないけどさー。 「ホタルもどうして止めなかったの!」 そこでのとばっちりはあたしにまで来るんですか!? 「止めたけど、もうめんどくさくなっちゃって…」 だって言い出したら止まんないし、この馬鹿は。 止めるこっちの身にもなってみてよぉ―…。 「それより、あいつは何者なんだ?」 「聖衣を付けないで属性操ったのだから、かなりの使い手ね。」 「水の属性だったよ。 いい小宇宙をしてたし、探そうと思えば探せるかもね」 あたしは絶対にやんないけどね。 「本当か!? じゃあ探してくれよ!」 「めんどくさいから却下。 あたしは戦闘タイプだから、そう言うのは慣れてないの。」 実際、ヒーリングも得意じゃないし。 てか、力技で何とかなんないのって苦手なんだよね。 「ん?」 入り口付近で騒ぐおっさんが一人きた。 なんか騒がしいな。 誰だ、あいつ? 「…なんだ、あいつ。随分威張ってる先生だな。」 随分と面白い頭をしたおっさんが威張り散らししてた。 確かに、偉そうだな。 「教師失格だね。 あんなのが教師とか、いやだなーー…。」 仮にも教育機関なら教師くらい考えようぜ。 あんなのが教師だったら、子供に悪影響しかおよばさないぞ!? 「いや、現役バリバリの生徒だ。」 「えぇ!? めっちゃ老けてね!?」 「高山地帯に行くと紫外線の影響でふけるのが早いってこの前誰かが言ってたから、それじゃない?」 「ちげえから。 水蛇座の市。 檄先生とは同期らしい。 自分の属性が見つからず、ここに入ったらしい。」 …悲しい話だ。 「しょっぱい話しだな。」 「というか才能ないんじゃない、それはもはや。」 「おい!」 あ、なんか絡まれた。 って、光牙くんと顔近いです。 「おまえらの歯に聖衣着せぬ…いや、歯に衣着せぬ物言い頭にくるざんす!」 ざ、ざんす?え。何その語尾? というか、光牙に顔近いから。 今すぐのけろ!! 「ん?お前ら、新入りか? こりゃみっちり仕込んでやらなきゃいけないな!」 「あたしはもう仕込み終えてるんで気にしなくていいでぇ―す。 つうわけで、光牙だけ仕込んじゃってください。」 お前に仕込まれたらなんかまずい気がする!! 「俺を売るんじゃねえよ! …ごめん、俺今忙しいからおっさんにかまってる暇ないんだ。」 「おっさ…!?」 …光牙、それ本人にいっちゃだめだよ。 気にしてるよ、多分。 「今、俺人を探してて「やっぱり!戻ってきてくれたんだね!」 「ん?」 おお? 「あーーー!こいつだ!!」 「あの時の子!」 声をかけてきたのは、早朝に会ったあの美少年。 見つかるの早ッ! 驚くあたしたちを無視して、他のみんなが親し気に美少年に声をかける。 「龍峰!」 「龍峰じゃねえか!」 「ひさしぶり!」 「今日戻ったのか?」 「うん!」 楽し気に会話するみんなに置いてかれるあたしと光牙。 ・・・何、この蚊帳の外感は。 というか、皆知り合いなの? 「お前あった奴龍峰だったのか! そりゃすげえや!」 「? なんで?」 「龍峰はあの伝説の青銅聖闘士! 龍座・紫龍の息子だ! 彼のもとで修業して、龍座の聖衣を引き継いだんだ。」 「ふぅーーーーーーーーーん」 ごめん。そんな誇らしげに説明してもらっちゃって悪いんだけどさ。 その紫龍っていう人を知らないから驚けないです。 伝説になってるくらいだからすごいんだろうけど、あたしにとって未来の人間だから知る訳ないんだよ。 「よろしくね! ペガサス!南冠!」 「あれ、何であたしの守護星座の事…。」 光牙のなら知ってても不思議はないけど、何であたしのまで? あたし、この人に言った覚えないんですけど。 てか、さっき会ったばかりの方ですよね。 「ぺ、ペガサスぅ!? 俺にはちゃんと光牙っていう名前があるんだ!」 「一応名乗っておくけど、あたしにもホタルって名前があるからね。」 守護星座でよぶんじゃないし! 「それより!さっきのあれはどういう意味だよ!!」 「さっきの? ああ、言葉どおりだよ。 君達はまだ目覚めていない。 だからここにのこるべきだよ。」 …成程ね。 確かにあたしも属性には目覚めていないし。 光牙だって似たようなもんだし。 残ってた方が、いいのかもね。 「ねえ!一緒に勉強しようよ!」 「「…はあ?」」 いまなんと? 一緒に勉強? ・・・・・・・・・勉強!? キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン 「早くいかないと、遅刻しちゃうよ!」 固まる光牙とあたしの手を取って、龍峰くんが走りだす。 「ええ!?」 「え゛?あたしも!?」 展開についていけず、素直についていってしまう。 「サボる気満々だったんですが!?」という抗議はいっさい聞いてもらえず、なくなく引っ張られていった。 ← → back 141/20 |