驚きの事実




先生たちに連れられたアテナ像に敬礼をする。
あたしが忠誠を誓っているのはこんな偶像じゃなくてアテナ・・・もといサーシャと沙織なんだが。


「あー。めんどくさい…。」
「何でこんなことするんだよ。」


思わず出た本音を漏らしたらあたしと光牙に、先生がげんこつを落とす。
イッタ!?


「ってええええ…!?」
「ぼうりょくはんたーい。」

頭を抑える光牙とぶーぶー文句を言うあたしに、檄先生が怒鳴る。

「軽口をたたくな!
 聖闘士たるもの常にアテナに敬意を払う事は聖闘士の基本だ!」
「まあまあ先生!
 勘弁してやって下さい!
 こいつらちょっと世間知らず何で!」

怒り散らす先生を宥める蒼摩。
ありがたいけど、世間知らず扱いはちょっと癪だ。

「そのペガサスの聖衣はどこに?」

怒りを抑えた先生が、光牙に質問する。
…この先生、光牙を見る目が少しちがう。
敵意でもないし…どっちかっていうと、懐かしみって感じ?

「俺を預かってた島にあったんだよ。」
「どういう事だ、それは。」
「分かんねえけど。
 星矢っていう聖闘士から預かったみたいで…。
 俺もよく分かんねえよ!」


何で、この人はそんなこと聞いたんだろ?
この聖衣には、なにがあるの?

だが、その答えは特に答えらず、あたしたちは学園長室で学園長代理とやらのお話を聞いた。

って…


「このパライストラは新米の青銅聖闘士を・・・・。」


長ッ!?
そんなめんどくさい講釈、誰も頼んでないから長々としゃべらんで欲しいですが!?
てか、いらない。口を開かないでくれ。



「おい、返事!」

蒼摩の小声の注意に、はっと顔を上げる。
どうやら終わったらしい。

「はぁい」
「うぃっす」


ああ、いつの間に終わってたのね。
全然聞いてなかったわ。
やる気のないあたしと光牙の返答に校長代理は頬を引き攣らすが知ったこっちゃない。


「それでアテナは何処にいるんです?
 学園長代理!」

本題とばかりにアテナの居場所を食い気味に聞く光牙に慌てて蒼摩が取り繕った

「こら!
 …すみませーん。コイツどうしてもアテナの居場所を知りたくって。」
「それで、どこにいるんです?
 教皇宮?それとも、アテナの神殿?」

アテナがもしいるんならば、そこにしか思い当たる場所はない。
ううん、そこ以外には居ないはず。

「…アテナは今、神殿にいる。」


ビンゴ!

「本当か!
 アテナは無事なのか!?」
「別に…特にお変わりないが」

変わりない?
どういうことだ?

「その神殿って、どこにあるんだ!?」
「聖域の12宮の奥にあるが。」


まだ12宮あるのか!!
よかった〜!
無くなってたらどうしようかと思ってた!!

「そこに行けば、会えるんだな!?」
「お前ごときが会えるお方ではない。」


そりゃそうでしょ。
当たり前の答えに、思わず頷く。
そう簡単にアテナに会えるわけがない。


「ただし、黄金聖闘士になれば会えるがな。」
「?」

…それすらも知らないか。
まあ、聖闘士として日が浅いからしかたないけどさ。


「青銅、白銀…一番上が黄金聖闘士だ。」
「今黄金聖闘士は2名だけだ」

は?いま、なんていった?
黄金聖闘士が、二名?

………え?



「は、はぁぁぁああああ!?!?2……2名!?
少なッッ!?12宮をそんなんで守れると思ってんの!?
アホだろ!アホとしか言えねえよ!!!
聖戦なめてるのかこらあああああ!!!」


驚愕のあまり、絶叫する。
何!?前聖戦での補欠をまだ埋めてないの!?
さっさと埋めないと、取り返しがつかなくなるだろぉぉおおぉぉおぉぉおぉお!?

「これ!失礼だぞ!」
「失礼もくそもねえよ!あほにあほっつって何が悪い!?」
「なっ!?」

頭を抱えるあたしの無視して、光牙が校長代理に言い寄る。

「それになれば、会えるのか!?」 


事の重大性とあたしのおたけびなんて全く解ってないし、聞いてない光牙は代理にしつこく聞いて確認してる。
だけどね、光牙くん。


「無茶言うなよ…。」

頭を抱えたまま、思わずつぶやいた。
・・・・そう簡単に黄金に成れるわけないでしょ。
むしろ簡単になれた方が驚きだよ。

…でも、これを機に黄金聖闘士になるのもいいかもね。
なるんなら、蟹座かなあ?


「…それより君、例の件は?」
「ああ、はい。
 相当の量の小宇宙がぶつかりあったそうで…・・・・」


蒼摩が際の事件の報告をする間、あたしはずっと考えていた。
・・・・蟹座、かぁ。
あの人の後継ぐのも、悪くはないだろうけど…。


どーも、ちがうんだよなあーーー…。









back
141/16


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -