ささやかれた言葉





「!」


なんだろう…
この人の馬鹿でかい小宇宙の所為で感じにくいけど…たくさんの小宇宙を感じる?
まさか、追手!?



「っく…時間がない!
仕上げだ!」


「んぎッ!」




ラストスパートといわんばかりに牡羊座の小宇宙がデカく輝く。
その光に包まれると、あたしたちの聖衣は完ぺきに修復された。


「おぉ!」


それが終わると同時に、牡羊座が膝をついた。


「貴鬼さん!」
「牡羊座!大丈夫!?」


慌てて駆け寄ると牡羊座はあたしのことを凝視した。
その目は、何かを訴えかけようとしていたんだけど…いったい?



「牡羊座…?」
「大丈夫だ。
 君たちの聖衣の修復は完了した。
 行きたまえ、ペガサスのもとへ…。」


息も絶え絶えの牡羊座。
・・・やっぱり、一気の6人の修復なんて無茶だったんだよ。


「来たか…。」
「火星士!?」
「うわ、ぞろぞろとわいてきやがって…」



火星士たちが入り口からぞろぞろと入って来やがった。
うわ、クソめんどくさい。
ここはとりあえず闘って…



「ここは私に任せて上へ上がるんだ。」


「!
 で、でも小宇宙を使い切った貴方を一人置いて…」
「見くびるな。
 黄金聖闘士なら火星士ごときに戦うには一人で十分だ。」


そう言って彼は、あたしの横を通り過ぎて火星士のもとへとかけていった。



「―――」


「!?」




「行け!若き聖闘士たちよ!
この星の未来は君たちにかかっているぞ!」





彼は、あたしのもとを通り過ぎる瞬間に耳元でささやいた。
その言葉は、あたしを硬直させた。




「ホタル!早く!」
「ぅ、うん…」



ユナに急かされてあたしは戸惑いながら、彼から背を向けた。
何だっていうんだよ、もう!










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