世界の美しさ





「ッな…!?」



頭上で破壊音がしたと思えば、天井にあったメドゥーサ像の顔が堕ちてきた。
そして、それとともに落ちてきたのは…見間違えるはずない。



「マルス…!」


マルスはアリアちゃんに手を翳した。
するとアリアちゃんから煌めく光の小宇宙が抜けていった。



「っく…!」


「光の小宇宙…。
美しい輝きだ。
この時を待っていたぞ。」


アリアちゃんからどんどん抜けていく小宇宙の道を、光牙が叩き切った。


「これ以上アリアを利用するな!」
「アリアちゃん!下がって!」


あたしがアリアちゃんの前に出て、アリアちゃんをさがらせようとした。
だけどアリアちゃんはそれを拒んだ。


「ホタル…大丈夫。」
「アリアちゃん…。」


アリアちゃんはあたしの前に出ると、マルスのことを見据えた。



「私はもう使わない…!
私の光の力を!
貴方のためには絶対に使わない!」
「アリアちゃん…。」


守られていたアリアちゃんが…ここまで強く…。
ここまで…成長したんだね。


「私は、旅の中で知ったわ。
この世界に生きる命と、心の美しさと優しさを!
私はこの美しい世界を守りたい!」
「この世界が美しいだと!?
 欲望や恨み、妬みに満ちたこの世界が美しいだと!?」

「えぇ!
 私は守りたい!
 私の光で…照らし続けることで!」
「お前の光でか!?
 戯けが!
 お前の光は我が新たな世界を照らすための光だ!」


マルスの中心に、闇の小宇宙が宿る。
怒りに満ちたマルスの腕が、アリアちゃんへと伸びた。


「さあ戻れ!
 我がもとへ!」


「させるか!!!
 積尸気 魂葬破ッ!!!!」









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