紡ぎ始めた運命 『おのれ…! 魂だけの存在が…邪魔立てするなぁああ!!!』 闇が、光に襲い掛かる。 大きく、存在感のある背中が震える。 ずっと、ずっと見てきたからわかる。 「笑ってる暇、ないじゃないですか…。」 軽薄そうに、笑っているであろう師匠が天に向かって腕を上げる。 指先に燐気がまとう。 「消え失せろ。」 師匠が冷徹に指先を下した。 魂が、炸裂する。 闇を祓う青い焔。 衝撃で目を閉じたあたしの頭を、何かが触れた。 それはあまりに懐かしい、温かい手の感触だった。 「俺は、俺の選択に後悔してない。 だからお前が自分を責める必要なんてねえんだ。 …まっすぐにお前の道を進め、馬鹿弟子」 「ッししょ…!」 師匠の小宇宙が、あたしの中に入って行くのを感じた。 ―負けんじゃねえぞ。 “運命”なんていうくそみてえなもんから どんどんと消えていく、光。 それはどんどんと収束して、そして、 ← → back 141/116 |