忘れるわけない 『!?』 歪む涙の視界の中に、一筋の光。 それはさんさんと照らす太陽の光とは違う。 例えるならば…月の光のように淡い光だった。 『なに…!?』 その光が、まるで広がるように輝いた。 淡い光があたしの体を包んでいった。 「この、小宇宙は…?」 アリアちゃん…? ううん、違う…。 この小宇宙は… 「自分を責めるな。 自分自身を否定するな! 自分の生き方を!歩いてきた道を!」 まばゆい光の中で、あたしの目ははっきりと開かない。 でも、見えなくてもわかる。 この声の主を この小宇宙の持ち主を この懐かしい魂の持ち主を…! 「し、しょう…?」 まばゆい光の中、黄金に輝く背中が見えた気がした。 それは、あたしがずっと追い続けた背中だった。 ← → back 141/115 |