悩みは?




マルスの居城に侵入し、光牙たちの後を追っている途中で反対側から誰かが走ってきた。
一瞬的かと思って身構えたけど・・・・あれって


「あれ?
蒼摩じゃん!」
「ホタル!お前も来てたのか!」

それはこっちのセリフだよ!
あんた…なんでここに?

…なんてのは、愚問かな?


「光牙たちがいて、あたしがいないわけないじゃん。」
「そりゃそうだな。」

笑う蒼摩の顔はどこかぎこちない。
…まだ、悩んでいるのかな?


「…まだ、悩んでるわけ?」
「!」


あはは、図星って顔だなぁ。
どうしたいのか自分で分かってないみたいだわ。



「何度も言うようだけど…あんたが後悔しない道を選ぶといいよ。
 選んだ先に、何があるのかなんて誰にも分らないんだからさ。
 堂々と・・・信じた道を選ぶといいさ。
 後でこうすればよかったなんて思わないように。」
「…ああ、ありがとよ。」


あたしが言った意味が、蒼摩に理解できてるのかなんてわからない。
増してや、それをどうとらえるかなんて。

だけどまあ、どう進むのかなんて本人次第なんだから…それでいいんじゃないかな?




「とりあえず、あたしはさっさと合流しよっと!」



あんまり一人で動くと、迷子になりそう!






――




「ホタル!」
「ホタル!大丈夫だったか!?」

道を走って光牙とユナと合流する。
どうやら二人とも順調に進めたらしい。


「全然大丈夫!
 むしろ骨がなさ過ぎて飽きてたところ!」


よかった―!なんとか二人と合流できた!
一瞬迷った!?とか思って焦ったよ!


「そういや、今そこで蒼摩に…」


言葉を繋ぐ前に、下から爆発音がした。
そしてあの女と、蒼摩の小宇宙が強く感じた。


「…もう始まった感じかな?」



まだ迷いを完全には振り切れていない感じだったけど…大丈夫かな?


「…俺たちはとにかく、アリアのもとに急ごう!」
「えぇ!」
「…ん!」


それもそうだね。
あたしたちは…さっさとエデンのど畜生をぶちのめして、アリアちゃんを救い出さなきゃ!



















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