月のもとに誓う


そんな出来事を思い出しながらあたしは今、一人で月を見上げる。
アリアちゃんがマルスのクソ野郎に捕まった今、目的はただ一つ。


「アリアちゃんを、助け出す。」


あたしは師匠からもらった髪飾りを強く握りしめる。
これは、お守りであり、あたしの宝物であり、そして…心の支えでもある。


「月に誓って、アリアちゃんを助け出して見せる。」


そう誓ったあたしは金の三日月にくちづけをした。


「もう決して、負けはしない。
必ず助け出して見せるから。」


金の三日月と、空に浮かぶ満月をあたしは重ねながらそう固く言った。
そのときに、手首に光る銀の月がきらりと光った気がした。
















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テーマ「人外ファンタジー」
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