捜索 ゆっくりと瞼を開けると、そこは森のなかだった。 「…最悪な、夢ってやつか…。」 こっちにきてから、師匠たちに関する悪夢を見ることが増えた。 でも、さっきの夢は妙にリアルで……。 「…あ」 違和感を感じて、頬に触れると生暖かい液体が流れていた。 「涙…。 あたし、泣いてたんだ…。」 夢の中で泣くなんて、相当だったんだな。 あ、やばい…。 思い出したら、また泣きそう…。 「ッ! こんなところで泣いてる場合じゃない! 皆は…みんなは!?」 慌てて立ち上がって、元の湖まで走る。 するとそこには驚きの景色がひろがっていた。 「なに…?!これ!?」 惨劇の後。 明らかに、此処で争った跡が残されていた。 「光牙−−−−! ユナ―――!? アリアちゃんーーー!?」 皆の名前を叫びながらあたりを見回すが、どこにもいない。 「…しょうがない、小宇宙をたどるか…。」 そう言って、あたしは意識を集中させた。 しばらく目を瞑り、意識を澄ませると二人の気配を感じた。 「…いた。」 二人の小宇宙を見つけてあたしはまた走り出した。 「ごめん…! あたしが、あの時しっかり止めてれば…!」 ぎりっと歯を食いしばる。 強く拳を握りしめたせいで、 血がしたたり落ちたがあたしはそれすら構わないで走り続けた。 「皆…! 無事でいて!」 . ← → back 141/94 |