捜索




ゆっくりと瞼を開けると、そこは森のなかだった。


「…最悪な、夢ってやつか…。」



こっちにきてから、師匠たちに関する悪夢を見ることが増えた。
でも、さっきの夢は妙にリアルで……。


「…あ」



違和感を感じて、頬に触れると生暖かい液体が流れていた。


「涙…。
あたし、泣いてたんだ…。」


夢の中で泣くなんて、相当だったんだな。
あ、やばい…。
思い出したら、また泣きそう…。


「ッ!
こんなところで泣いてる場合じゃない!
皆は…みんなは!?」


慌てて立ち上がって、元の湖まで走る。
するとそこには驚きの景色がひろがっていた。



「なに…?!これ!?」


惨劇の後。
明らかに、此処で争った跡が残されていた。


「光牙−−−−!
 ユナ―――!?
 アリアちゃんーーー!?」


皆の名前を叫びながらあたりを見回すが、どこにもいない。



「…しょうがない、小宇宙をたどるか…。」




そう言って、あたしは意識を集中させた。
しばらく目を瞑り、意識を澄ませると二人の気配を感じた。



「…いた。」



二人の小宇宙を見つけてあたしはまた走り出した。



「ごめん…!
 あたしが、あの時しっかり止めてれば…!」


ぎりっと歯を食いしばる。
強く拳を握りしめたせいで、
血がしたたり落ちたがあたしはそれすら構わないで走り続けた。



「皆…!
 無事でいて!」












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