邪魔立て





「、グ!?」




いきなりのことに頭も体もついていけず、一瞬唖然とした。
重くのしかかるのは、暗く強い小宇宙。


「一体、何!?」
「…。」


あたしの動揺を察してか、鬼蒼焔も消えてしまった。
新たに燃やそうと思っても、体が重くて立っていることすらままならない。

あたしを守る盾がなくなったエデンは、ゆっくりと近づいてきた。



「ツぅ…!」
「お前は…少し寝ていろ。」


動かない体を無理にでも動かして殴ろうと思って体を動かした瞬間


「!」

バチッ


エデンの指先から出た小さな紫の雷があたしの体に当たった。
体がしびれたかと思ったら瞼が重くなり体が前のめりになり、
前にいたエデンにもたれかかる。


「ぅ…」


かすむ視界の中で、エデンのまっすぐなヒトミが見えた。



「…なぜだろう、お前のことは――…」





なにかを言っているエデンの声が遠くなる。
エデンに支えられている感覚を体に感じた。




――――





「…意識を、失ったか。」



自分の腕の中で浅く呼吸をする少女をエデンはじっと見つめる。
長い銀の髪が、まるで尾をひく流星のように地面に向かって伸びている。

完全に意識を失った少女の顔をしばしの間見続けた。



「ぅ…」


苦しげに呻き声を上げる少女を、エデンは横たわらせた。


「しばらく、そこで寝ているがいい。」



苦しげな表情で目を瞑る少女の姿を一瞥し、
エデンはアリアのもとへと向かった。




「し、しょう…」




きつく閉じられた目から、一筋の涙がこぼれた。













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