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今日は久しぶりにテンマたちがいる闘技場に来た。
久しぶりに会ったテンマと耶人は一回り成長したように見えて、やっぱ男の子ってすごいなぁ、なんて感心した。

「ナナシがここに来るなんて久しぶりだなぁ〜!」「お前、またそんな恰好で…怒られねえのかよ。」

私の男装を見てすこしだけ心配そうに言う耶人。
しっかーーし!

「問題なーーし!
 むしろ最近ではセージさんも特に何も言ってこないし!」

「呆れられてんじゃねえか、それ。」

胸を張った私の主張に耶人もあきれ顔になった。
正論に対して私は苦笑いで返して、鍛錬を積んでる人たちをちらりと見た。

「やっぱ、此処は熱気が違うよねえ。
 12宮はもっと落ち着いた感じがあるからなんか新鮮だわ。」
「そりゃそうだろ。あそこで騒げる人なんてそういないから」
「ナナシってやっぱ変だな〜」
「え、テンマひどくない!?」
「だってふつうそんなこと言わないだろっ
 12宮なんていつ通っても重苦しい感じしかしないし…。」
「…そう?」

私の記憶だといつ通っても騒がしいイメージしかないのだが、どうやらテンマと私の間には12宮のイメージに齟齬があるらしい。
そんな感じはあんまりしないけどなぁ。

「ナナシは黄金聖闘士達と仲がいいからそうは思わないのかもな」
「むしろどうやったらあそこまで仲良くなれるんだよって感じがするよな」
「え、普通に話してるだけだけど…。」


心底不思議そうな顔をしてる耶人とテンマ。
特別なことをした記憶はあまりない。
ただ毎日いろんな人と話している程度だ。

なんてゆるゆる3人で話していたら、怒鳴り声が聞こえてきた。


「ん?」
「何だ?」


二人につられて声のほうを見て見ると、
離れた場所にいた一際大きい男の人が誰かに向かってどなっていた。
格好からするにおそらく聖闘士候補生の人なのだろう。
怒鳴られてる人は、その大きい人が邪魔で見えないけど…大丈夫かな?


「あーいうのも日常茶飯事なの?」
「まあな。
 修行やってるうちに気が高ぶって、短気を起こす奴がいるんだよ。
 そーいう奴は聖闘士になれないだろうけどな。」
「成る程…やっぱり聖闘士になる人だとそういうところも見られるの?」
「自分の感情はある程度コントロールできないといけねえからな」

事情がわからない中乱入するわけにもいかず、とりあえず3人で遠目に見守っていたがそのうちに段々男性の怒りがヒートアップしてきたらしい。
何かを叫びながら、丸太のように太い腕を大きく振りかぶった。



「!?
 あ、危ない!」


思わず私は叫んだ。
あんな大きな拳で殴られたら聖闘士でも大変なことになってしまう!



「たく、叫ぶだけならまだしも相手の実力も分かんないで殴り掛かるなんざ…聖闘士になる資格ないね。」



騒然とした空気の中でも、凛とした女の人の声が聞こえた。



「あんたとあたしの格の違い、此処で教えておいてやるよ。」




その言葉と同時に、ふわりと何かが大男の背に乗った。
それと同時に大男が地に倒れこんだ。


「ぐっ!?」

派手な音を立ててた倒れ込んだ大男が、潰れた声を上げた。
何が起こったのか全く視認できなかったが、気が付いたときには誰かがうつぶせに倒れこむ大男の背に乗り、殴りかかろうとした腕とは反対側の腕をひねりあげていた。




 

































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