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「ん―…。
暇ぁ―――…。」
聖域にいる時間って、ほんわかしてて、のんびりで、それでいて味気ない気がするんだよなァ―…。
「あくせくしてるよか、良いけど…。」
サーシャもセージさんも忙しいし、他の人達も大変そうだし、ほーんと、暇だなァ…。
そんなことを思いながら、12宮を下ってた。
巨蟹宮まで来た、そのとき
―ふわり
何かがあたしの鼻先をかすった。
「?」
だけど、なにもいなかった。
「虫…?」
あまり気にしないで、先に進もうとした時、今度は右足の膝裏にまたかすった。
「??」
だけど、また何もいない。
…風、かなぁ?
「変なの…。」
また無視して進もうとしたその目の前に、こんどはそれは横切った。
「っ!?」
青白い、冷たい光を放つ大きなホタルみたいなもの…。
「な、な、なッ!?」
思わず腰を抜かしてしまった。
「ひ、ひ、人魂!?」
ッぎゃぁああああ!!!!
嘘でしょ!?夢でしょ!?
いくら、いくら常識はずれな世界だってこれは・・・ッ!
ふわり
「ぎゃぁあああああああああッ!!!!!」
こっちきたぁああああああああ!!!!!!!
「積尸気 鬼蒼
!」
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