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コンコンコン、とノックの音が聞こえる。
「スタージュン様、お呼びですか?」
ドアを開けた、その瞬間
シュッ
「っひ!?」
ナニカが、顔のすぐ横を通り抜けた。
恐る恐る、振り返ってそれを見ると、垂れ幕のついた矢が一本。
見事に背後の壁に突き刺さっていた。
「え!?何!?敵襲!?
・・・・・は、“HAPPY BIRTHDAY ナナシ!”・・・・え?」
垂れ幕に書いてあった文字を読み上げたと同時に、軽快な破裂音が聞こえた。
パンパンパァン!
『HAPPY BIRTHDAY!ナナシ!』
目の前には、それぞれ手にはクラッカーを持ち、きらめく三角の帽子やら、モールやらをつけた支部長と副料理長たちがいた。
「・・・え?え?え?えぇ?」
状況把握ができていないナナシは困惑顔であたりを見回していた。
「ちょ、え?これ、なに?」
「なにって、見てわかんない?」
「今日はナナシの誕生日なんだろぉ〜〜?」
「だから、私たちが誕生日のお祝いパーティーを開いたのだ。」
副料理長が交互に説明した。
その間に、三角帽子と、タスキをつけらた。
「・・・あ、れ?
あたし、今日が誕生日だってみんなに教えたっけ?」
「オイラに言っただろ?
で、おいらが支部長たちに教えたわけぇ!」
「そ、ういうことか・・・。
べ、別によかったのに…。」
「いいわけ無いに決まってるじゃないですか。」
「祝う位させろよな。」
「もっとも、俺らは女の欲しいものなんてわからないが…。」
「カカカッ!でも、楽しい思いさせるのくれえは訳ねえぜ?」
「そういうことだ。」
支部長たちからの、普段からは考えられないくらい温かい言葉。
それだけで、ナナシの胸は熱くなった。
「みんな・・・・ありがとう・・・・!」
「おいおい、まだ特に何もしてねえぜ?」
「お楽しみはこれからだぜ!?」
「驚きのあまり、気絶すんなよぉ?」
セドルとユーが手を引き、ナナシを大きな椅子に座らせた。
「んじゃまあ、俺らからのプレゼントを見てもらうとするか。」
ボギーの一言で、プレゼントのお披露目会が始まった。
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