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「んな細かいこと気にすんなって。
別に馬鹿になんてしてねえから安心しろよ。」




そういうと、マニゴルドさんはあたしの頭を乱暴に撫でた。

…なんか






「マニゴルドさんって、アニキ!って感じがするよね…。」




「・・・ああ?」




「よく言われない?
“兄者と呼んでいいですか!?”…的な台詞。」




「言われたことねえよ。
てか、なんだそれ?なんでそんな巷のチンピラみてえな言い方なんだよ。」




「マニゴルドさんがチンピラ風だから。」





チンピラ風…てか、もはや親玉だよね。
チームとか率いてそう。







「ナナシ・・・・そこ動くなよ?
いますぐ積尸気に送ってやるからよ。」





「すみません、冗談です。
だからマジで小宇宙燃やすのやめて下さい。」






そんな殺気のこもった小宇宙当てられたらマジで泣きます。
てか、泣き叫んで命乞いしちゃいますから。







「ッチ・・・・次変なこと言ったらマジで積尸気送るからな。」




「ハァ―イ…。」





・・・・でも、すぐ怒ったってことは、マニゴルドさん実はそういう自覚あったんじゃないかな?






「・・・・なんだよ、その顔は。」



「いえー!何でも御座いません!」






さすが黄金聖闘士!
無駄に勘がよすぎる!
てか、表情でわかるって凄すぎでしょあんた!









「…ナナシ。」




「うん?
なに?」





振り返ると、何とも複雑そうな顔をしていたマニゴルドさん。
ちょ、どうしたの?





「悪かったな。
怖い思いさせてよ。」




「…ああ。
気にしなくていいよ。
あれはマニゴルドさんが悪いわけじゃないし。」






ま、あれを冥界に送るのを滞っちゃったとはいえ、長期任務で忙しかったんだから仕方ないし。
それに巨蟹宮にあーゆーのが集まっちゃうのはなんかしょうがないみたいだしさ。





「それに、知らないことを知れたってことでプラマイゼロ!」





「…そういう思いっ切のいい所が、女神らしいよな。」




「ちょ、あたしまで女神の同類にしないでよ。」






女神とあたしを同じにされても困るから。
てか、普通に失礼でしょ。







「そろそろ戻らねえとお師匠がうるせえだろ。」




「あー…。
うん、そうだね。
マニゴルドさんはどうすんの?」




「おれは巨蟹宮の掃除をもっと徹底的にやる。
サボると、またすぐに集まってきちまうからな。」





少しげんなりとした様子だけど、やっぱ割り切ってる感じがするのはさすがだな…。
男って、やっぱこうじゃないとねえ…。






「・・それとよ、マニゴルドさんっつうのはいい加減やめろよ。
他は普通なのに、名前だけさん付けって変だろ?」





「そういやそうだね。」





あんまり違和感感じなかったけど、言われてみればそうだ。






「じゃあ、マニゴルドでいい?」




「おう。
つーか、俺は呼び捨てなのにお前はさん付けって変だろ。」





「うん、分かった。
マニゴルド、今日はありがと!」




「礼を言われるようなことしてねえよ。」





あたしの頭をガシガシ撫でるマニゴルド。
この人、まじで兄貴属性の人だな。




「また、遊びに来いよ?」




「うん!」






あくどい様な、爽やかな様な、色んな表情が混ざったような大人な笑顔をあたしに見せるマニゴルド。

他の黄金聖闘士とは、また違うタイプの人だなァ…。




なんて思いながら階段を上っていると









「ナナシ!」






下からマニゴルドに呼ばれた






「?
どうしたの?」










「階段から転げ落ちるなよ?」






「おっ!?落ちないから!」






明らかに馬鹿にしてんだろ!?






「ハハハッ!冗談だよ!気ぃつけろな?」







大人の笑顔を見せて、手を振るマニゴルド。
それを見てあたしはちょっとだけ笑った。







「なんか、ちょっとお馬鹿で面白みのあるお兄ちゃんができたみたい。」






強面だけど、案外優しいお兄ちゃんか…。




そういう兄って、けっこう理想だったりするよね。


なんて思いながらあたしは階段を上って行った。












…ちなみに、教皇宮についたとたんセージさんに無断で外出しないでくれって怒られた。










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