小説 | ナノ
感じる君の体温
カーテンの僅かな隙間から零れる白い朝が、僕の意識を緩やかに夢の世界から現実の世界へと覚醒させる。
けれど。
未だ身体に残る心地好いけだるさを手放すのは何だか勿体ない気がして、隣で無防備に眠る彼女と共にもう一度毛布に抱き包め、僕は瞳を閉じた。
「んっ……」
少しばかりの窮屈さを感じたのか。
もそもそと僕の腕の中で動きだした君を、僕は緩める所か少しきつめに拘束する。
「ぅ…ん」
しかし、千鶴ちゃんの可愛い寝顔の前に僕の理性が敵うはずもなく。
キスして下さい、と言わんばかりの唇に、これでもかって程深いキスをして。
もっと力を入れたら折れてしまうんじゃないかと言う細い腰を、悪戯に指でなぞれば。
「……っん、んん」
爽やかな目覚め…とは程遠い目覚めを迎える千鶴ちゃん。
『おはよ。千鶴ちゃん』
「……総司さん。もう少し普通に起こして下さいっ!」
『えっー。それじゃつまらないでしょ?』
「そういう問題じゃありません!」
『眠り姫をキスで起こすのは王子様の常套手段でしょ?』
「っ〜……」
『アレ?照れてるの?千鶴ちゃん』
「そ、それは総司さんが…」
『これから毎日一緒なんだから、このくらいの事は慣れて貰わないと。これからはもっと過激な事もするんだし』
「えっ!!!」
僕の発言にみるみる真っ赤に染まる千鶴ちゃんの頬に愛しさを感じた僕は、ちゅっと軽くキスを落とした。
感じる君の体温
(これからも一番君の近くに…)
2011.07.02 この空の下で 様へ提出
い、一応、新婚さんになったばかりの二人みたいなのを書いたつもりなんですが書いた本人以外には全く伝わらない内容になってしまいました!!
すみませんすみません。
- 3 -
[*前] | [次#]