「なあ、千鶴?」

「はい?」

「クリスマスプレゼントなんだが」

「あ、……私」

「結婚、してくれねえか?」

「……っえ!?」

千鶴が自分の持ってきたプレゼントに振り返ろうとするのを阻止してじっと見つめて言えば、千鶴は大きな目を見開いて呼吸を止めた。目を逸らさずに見つめれば千鶴は言葉の意味が理解できないとでも言いたげに、顔を泣きそうに歪めた。

「け、っこ……」

「もちろん、断ってくれても構わねえよ?俺はお前に幸せになってもらいてえからな」

苦笑して言えば、千鶴は悲しそうに目を伏せた。繋がれていない手で、そっと千鶴の背中に手を添える。

「どうする?」

「……土方さんは、意地悪です」

「……」

「わ、たし……断りたくなんか、ないです」

「ちづ」

「土方さんが好きです。だから、土方さんのお嫁さんになれたらいいなってずっと思ってました。でも、……」

「でも?」

「……私、なんかが土方さんのお嫁さんになってもいいんでしょうか……?」

自信なさげに訴えた千鶴に、土方は深く頷いた。むしろ――彼女じゃなきゃ、駄目なのだ。

「俺は、お前がいい」

「ひじ、かたさ」

「お前が断る気がねえんなら……俺は勝手に貰うぞ?」

先程不安だった気持ちはどこへやら、今は彼女が自分しか見えていないことに嬉々として土方は千鶴の髪留めだったリボンをゆらゆらと揺らした。

千鶴はそれを見て顔を真っ赤に染める。どうやら先程思い当たったこのリボンの意図というのは強ち間違いじゃなかったようだ。

「あ……、あのっ」

「拒否は聞かねえよ。もう遅い。お前は俺の嫁さんになるんだから」

ゆっくりと押し倒しながら言えば、千鶴はぽかん、と間抜け面を晒したあとに――へにょりと力が抜けたように幸せいっぱいに笑った。


…どくん、と心臓が高鳴ったことを隠しながら土方は千鶴に口付けた。夜はまだ、これから。









2010/12/17


メリークリスマス。クリスマスウエディングっていいよねってずっと思ってたんですが今回はプロポーズで。長くてすんませーん(・∀・)←



最近、似非土方さんだなとかry






2010/12/18/Web

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -