竹久々


始めもなければ終わりもないのだ、と兵助は校庭に落ちていたボールを拾い上げた。角なき球の輪郭をなぞる彼にまた数学の話だろうかと身構える。だが彼は「俺の記憶みたいなものだ」と呟いた。その面立ちは迷子になった子のようで。思わず彼を抱きしめていた。

koiusoへのお題は『【八】と【木】と【川】と【帯】と【犬】と【水】と【猫】と【参】と【角】と【雨】』です。




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