先生

ひそ、と静けさを塗りたくった暗闇が不意に割れた。煌々とした蝋燭の灯が巻き起こった風に呑まれ揺らめく。火芯から止められそうになった息の根は、けれども思ったよりも屈強なようで。元の大きさに焔が伸びた。「御苦労」こちらの労いに頷くこともなく消え去った気配。ただただ背後の暗がりが深まる。




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