竹久々

かさり、と乾いた熱。びっくりして顔を上げると、指先が唇に食まれていた。灼けるような痛み。咎めるべきと、理性が彼の名を呼ぶ。「ハチ、」と。けど、彼は一度だけ、その曇り硝子のような目を向けただけだった。




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