かわいい25田村先輩と
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煙硝倉の近くで田村先輩に出会った。
会うのはこの前の共同授業の時以来だろうか。
というか一対一で会うのは多分初めてだ。
「何してるんですか?」
「お前は・・・滝夜叉丸の所の・・・」
うーん、と少し悩むそぶりをしている。
「名乗ってなかったはずですので分からなくても仕方ないですよ。信二朗といいます、田村先輩」
「そうか・・・覚えておく」
「田村先輩は火薬でも貰いに行く所ですか?」
「いや・・・貰えなくて、帰ると・・・うわっ」
本当は世間話から自然に甘えていくつもりだったんだけどもどかしくなったので抱きついてみる。
ちょっとかがんで胸板すりすり!おぉ、結構がっしりしていらっしゃる。
「ちょっ、お前っ、離れ・・・!」
「えー嫌です」
引き剥がそうとしてきてちょっと痛いけど、がんばってしがみつく。
でもやっぱり一年差って小さいようで大きい。
手がゆっくりはがれて、体が離れた。
「あーはがされちゃいました」
「なんなんだ・・・!」
いやそうな顔で田村先輩が言う。
「いやちょっと甘えたかっただけなんですけどね」
「は?」
「甘えたい盛り!」
「・・・」
胸を張って言うと黙られた。ぐっと印象が悪くなった気がする!
「・・・すいません」
走って逃げてもいいんだけどこれ以上印象悪くなると寂しいから軽く頭を下げて謝っておく。
「・・・せめて一言言え」
「言ったらいいんですか!?」
目をきらきらさせて田村先輩をみる。
ちょっとたじろいだけど最終的にはいいって言ってもらえた!
「ありがとうございます!」
もう一回抱きついて胸板すりすり。
やっぱりなかなかたくましくていい感じ!
「せめて言えって言っただろ!!」
また怒られた。