おかゆ





「あっついよーーー!!」

「当たり前だろ」

「ちゃんと、ふーふーしてよ!」

「は?何わがまま言ってんだよ。食わしてやってるだけでも、ありがたいと思え!」

「わがままじゃないよ!常識だよ!熱い!だから、ふーふーしってって!」

「はぁ〜お前に常識とか言われたくない」

ため息をついて、レンゲを椀の中に突き刺した状態でそいつに渡す。
が、頑として受け取る気はないらしい。

生活能力の低そうなこいつが風邪をひくのも毎年の事なんだけど、
確か、あれって風邪をひかないんじゃないのか?

諦めて、レンゲを握り、今度はちゃんと冷ましてから口に運んでやった。


「塩味が薄い…」

「俺が作ったんじゃない。レトルトのを買ってきただけだ」

「…知ってる」

最初は作ってやろうと思った。けど、そこまでしてやりたいって思う気持ちが、
何となく恥ずかしくて、来る途中にコンビニで買ったんだ。

「手作りのやつが食べたかったな…」

言われて、ちょっとだけ後悔した。

「何で俺がそこまでしなきゃなんないんだよ!ほら、食え!」

「あっつーーー!だから、ふーふーしってって!!!」

「病人のくせに元気だな」

「しんどいよ!しんどい、しんどい。ほら、あーん…」

「はぁ…」

疲れる。何でこんなに疲れるんだ…
普段と違うちょっとだけ熱でほてった頬と、火傷で赤味を増した唇…

それが、俺の何かを掻きたてる。
口を広げて待ってるこいつの何に何を掻きたてられるのかは、知ってるようで知らない気持ち。
もうちょっとだけ、このままでいたいって思う俺って、



やっぱりやばいかな???







- 7 -




[*前] | [次#]

≪戻る≫


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -