溺れる戀 ##amz_4813011683#S# イラスト―今市子 【あらすじ】 富裕な成實家の末っ子として生まれた成實祥彦は、ある使命を持って豪華客船青洋丸に乗り込んだ。 倫敦までのこの船旅は、祥彦の人生を決める旅だった。 そこに、大学時代の同級生・伊藤龍次が現れる。 彼が何故船に? かつて伊藤は祥彦のなかに痛みを残し、そして消えたのだ。 いつでも祥彦を捕らえて放さなかった視線に、再び祥彦は囚われるようになり…… 【感想】 関東大震災後なので、昭和初期くらいの設定のお話ですね^^ 今市子さんにイラストを描いていただける…ということでこの時代の設定になったそうです(笑) わかる気がします^^ ちょっとした漢字のお勉強にもなります。 倫敦→ロンドン 新嘉坡→シンガポール 馬耳塞→マルセイユ と読むんですねぇって感想にはなりませんが、読書の良いところは、本を読んで感動を味わえることももちろんですが、こういう知識も増えていくのが良いですよね^^ さて、感想ですが…… ロンドンまでの船旅をしていることから、時間はたっぷりとあるんですよね^^だから、船で伊藤を見つけてしまった祥彦(よしひこ)は、過去の大学時代を思い出す。 成實家は成實銀行、伊藤家は呉服問屋。 震災後の混乱で、成實銀行もその波を受け、資金繰りに厳しい状況になっています。 そして、もちろん古い体制を変えることの出来なかった伊藤の呉服問屋も…… 大学の教授、成實の家の状況、伊藤の家の状況、政略結婚などなどたくさんのことが折り重なって、もつれにもつれて二人の関係は複雑なものになっていく…… だけど……人生ってきっともっとシンプルに考えることが出来るものだと教えてくれます。 誰とどんな人生を歩んでいくのか…… それを決められるのは、他の誰でもなく、自分なんです^^ [*前] | [次#] ≪戻る≫ |