正直な感想、「なんやこれ」。



こづえは安産で、初産にしてはすんなり出て来た方らしい。陣痛で苦しんどるこづえを見た時はもうこの世の終わりかと思ったけど、分娩室で子供の頭を見た時はなんかわくわくした。

けど、いざ子供が生まれて、
「お父さん、可愛い女の子ですよ」
とか言われてもやな、実感湧かへんわ!
こづえのお腹の中におる時はまだなんとなく父親になった気でおったけど、今はどや。助産婦さんから渡されてこづえの腕ん中におる皺くちゃな、まだ目も開いてへんようなコレが、俺の娘?ほんまに?っちゅーんが本音。



「…くら?」

「あ…ああ、お疲れさん」

「…ん」



安静にするために未だ銀色の台に寝かされたこづえにキス。



「赤ちゃんは?」

「ああ、なんか向こうの部屋連れてかれてもうたわ」

「そう…蔵ノ介、抱っこした?」

「…まだや。なんや実感湧かへんわー」

「実は、私も」

「こづえもかい!」



こんな両親でやっていけるんやろか。



「けど見て、ここ」



こづえが指したんは自分の腹。ここ半年くらいは丸く膨れとったそこは今ぺしゃんこや。



「産んだ!って感じ」

「…なんやそれ」




100524
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -