『もうホンマ可愛いねんで〜、俺見たら声出して喜ぶんや!』
「はいはい、さいですか」
『ユウジも子供出来たら分かるで。この幸せが!』
「うっっざ」
『せやからはよ子供つく「な、何言いよるねん!」
俺は勢い良く受話器を本体にたたき付けた。ほんまあいつ下ネタ大好きやな。
「白石くん?」
「こづえ、白石から電話来てもすぐ切りや」
「え、なんで」
「アイツはセクハラ魔や」
白石んとこには産まれたばっかりの娘がおるらしい。その娘の自慢のためにしょっちゅううちに電話してくるんや。俺が子供嫌いっちゅーん知っとるやろアイツ。ほんまはらたつわ。
「アイツは子供の自慢かシモの話しかせぇへん」
「あ、女の子なんだよね」
「ほんま親バカやわ」
「まぁまぁ」
俺がイライラと雑誌をめくると少し悲しそうな顔したこづえが見えた。
「ユウジは子供…欲しくないの?」
「お前欲しいんか」
「…うん」
「俺…子供苦手やから」
「そっ、か」
こづえはめっちゃ寂しそうな顔しとる。子供欲しないとか嘘や。子供苦手やけどな。
「けど、お前の股から産まれてくるんやったらええで」
「…」
「可愛がったる」
「ユウジすき!」
「ゴフ」
あほ!コーヒー飲んどるのに抱き着いてくるあほがおるか!危うく吹くとこやったわ!
「じゃあ今夜手伝ってね」
「は?」
「子作り」
「おっ、おお女の子がそんな事言うもんやありません」
「なんか、女の方が気持ち良いとデキ易いんだって!ユウジ☆ファイト!」
「何がファイトや」
こいつほんま意味わからんとこ積極的やな!受けて立ったるわ。後で泣いても許したらへん。
100503