『もしもし侑士くん?』

「…あ、こづえ?」

『侑士くんって産婦人科だっけ』

「せやで」

『ちょっと、相談があるんだけど』



真昼にいきなり電話掛かって来たと思ったら従兄弟の嫁からやった。なんや産婦人科医師としての俺に用事があるらしい。まだまだ研修レベルでもまぁ医者の端くれな訳やから、相談くらい乗ったろと思った。



『―…って、どうかな』

「まぁはっきりとは言いきれんけど、疑ってかかった方がええんとちゃうか。酒は止めとき」



もしかしたら俺の従兄弟に子供出来るかもしれん。なんやねんアイツほんま腹立つわ。ええ嫁さんもろて調子こいとるとは前々から思っとったけど、まさかまさかのおめでたを俺が真っ先に知るとかどんだけやねん。悔しいわ。でも俺気は利くんや。せやから謙也には黙っとったろ。






『もしもしケンヤかー』

「お、ユーシ、何やねんまだバリバリ勤務時間やろ」

『おめでとさん』

「ハァ!?」



従兄弟から久しぶりに電話がきた。そしたら突然意味分からん事言いよる。ほんまこいつだけは昔っから意味わからんわ。



『そんだけやから。ほなな』

「ちょ、待てや!…切れとるし」



ほんま意味わからん。




100419
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