「うわぁ可愛いっすね!副部長にぜんっぜん似てねぇ!」

「赤也…」

「嘘嘘嘘!副部長似の可愛いお子さんっすね!」

「まぁ俺より澪緒似なのは確かだな」

「はは、は…」



出産から二日後、体調も落ち着いた頃過去立海メンバーがお見舞いに来てくれた。子供好きなブン太や赤也君は喜んで抱きたがったが、弦一郎がそれを許さなかった。首が据わるまではあまり他人に抱かせたくないらしい。



「澪緒、おめでとう」

「ありがとう幸村くん」

「男だったんじゃな。俺は女と踏んどったんじゃが」

「弦一郎も女の子だと思ってたみたい。ベビー用品は黄色で揃えたからどっちでも大丈夫だったんだけどね」

「それにしても真田が父親かぁ、超厳しそうだぜぃ」

「たるんどる!とか言ってすぐ撲りそうだよな」

「まぁ子供か私に手上げたら離婚だからそれは無いかな」

「ですって!副部長!」

「俺が澪緒や子供に手を上げるわけないだろう」

「それもそうだな」

「名前はどうするんじゃ?」

「それがまだ決めてないのよね」

「俺がつけましょーか!」

「赤也は黙ってなよ」

「ス…スンマセン」

「で、どうするのかな?」

「んー、候補としては弦一郎とお揃いに心一郎とか」

「だが親から名前を継ぐのはあまり縁起の良いものではないぞ」

「と以前にも聞いてな。どうしたものか」

「では、私がまた姓名の本でも探しておきましょう」

「さすが紳士」



過去立海Rメンバーはその後私の身体を気遣ってすぐに帰ってしまった。あまりに楽しい時間だったからあっという間に感じたのかもしれないが、皆の優しさが身に染みた。






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