「二人目…」
「はい。今ちょうど二ヶ月ですね」
「…」
信じられなかった。大河がついこの間一歳になったばっかりなのに。また一人家族が増える。
「そう…ですか」
どうしよう。不思議と大河の時程喜ぶ事は出来なかった。確かに嬉しい、嬉しいのだけど、子供を知ってしまった今、それをもう一人抱えるのに不安を感じてしまったのだ。出来てしまったものはしかたがない。堕胎なんてする気は無いし、無責任に産むつもりでもない。ただ、それに自分の身体は堪えられるのだろうか?
「澪緒、どうだった」
病院を出るとそこには二年前と変わらず弦一郎が。一つ違うのはそこに大河が居ること。
「二人目…だって」
「…そうか!」
私は一瞬言うのを躊躇った。しかし言い終えてからの弦一郎の笑顔を見た途端、先程まで悩んでいた自分がとてもつまらないものに感じた。
大河と同じくらいの愛をこの子にもあげたい。
そう思った。
100513