お色直しは五回。ウエディングドレスを二種、次にカクテルドレスを二種、間に振袖。始めのウエディングドレスは花を沢山使った華やかで上品なドレス。もう一つ、教会で夫婦の誓いをする時にはリボンの沢山付いた可愛くて綺麗なドレス。カクテルドレスは藍色のものと、小春ちゃんが選んだピンク色のもの。もちろんこれ全部、新郎がデザインしたもの。



「綺麗ね、朔ちゃん」

「ありがとう」

「先輩、ブーケトス謙也くんにしたってください」

「じゃかしいわ。何で俺や」

「なぁなぁでっかいケーキ出るんやろ?食べてええ?」

「金太郎はん、朔はんと一氏はんが切るんを待たなアカン」

「にしてもええ式場やなぁ」

『え、誰?』

「小石川です。ほら招待状!」

「はは、冗談やって」



元四天宝寺テニス部のレギュラー達も式に呼んで、式場は式が始まる前から賑やかだった。仲人は渡邊。出し物もいつものメンバー達がとっておきのネタを披露してくれるらしい。小春ちゃんも元相方のユウジを楽しませるために彼と組むんだと嬉しそうに話していた。



「お、よう似合うとるな、新婦さん」

「あら蔵リン!あっちでネタ合わせしましょ!」

「おん」



あれから数年経って、私達と蔵との溝は完全にとまではいかないが埋まっていた。私が蔵と話すとユウジは前まで劣情を感じていたようだが最近はそんな様子もない。それに蔵は本当に私達を祝福してくれていた。



「…朔」

「ん?」

「幸せならなアカンで」

「…ありがとう」



「おーい!お前ら写真撮るでー!」

「オサムちゃん気い効くやんか」

「ほな朔ちゃんは新郎呼んできてあげたら?」

「うん!」






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