私の好きな人は男の人が好きだ。文字通り、そういう事なのだ。私は男です、なんてオチでもない。ならどうしてこうも話の筋が合わないのか?なぜならそれは私の好きな人、一氏ユウジは同性愛者だからだ。所謂モーホーである。幼なじみである私の記憶によれば彼もさすがに小学生の頃はノーマルだった気がする。それがなぜこうなったのか、恐らく中学生に上がってからの小春ちゃんとの出会いだろう
「ユウジ」
「なんや」
「明日カラオケ行かへん?授業早く終わるみたいやし」
「んあー、小春も誘うてええ?」
やっぱり。私が何か言ってもすぐに小春ちゃん小春ちゃん、私も小春ちゃんは好きだけど恋愛感情とかそういうのじゃない。私が好きなのはユウジ。私に胸がついているのがいけないのか、男にはあるものが無いのがいけないのか、ユウジは私の事を恋愛対象と見てくれる事は無かった。
「ええよ」
「ほんまか!あぁ、小春、小春ぅ!ちょ、誘ってくるわ!」
私は別に構わない。小春ちゃんが、ユウジが一緒で、たとえ三人でも、楽しいから。そして同時にそれが少しでも長く続きますようにと願うようになっていた。
100213