あなたを愛してる病


ぎし、とスプリングが軋む音や、逆光で影が差すお兄ちゃんの顔を見る度にどきどきする。あれから何度か身体を重ねたけれど、未だに慣れる事は無い。手慣れたお兄ちゃんに気後れしてしまう事もあったが後に聞くとお兄ちゃんも言う程経験があった訳ではなかったらしい。



「…何考えよっと」

「ひあっ」

「妬けるばいね」



意地悪に笑うとお兄ちゃんは強く手を進めた。分かってるくせに。私がお兄ちゃん以外の事を考えられる訳無い。手早く服を脱がされぬるいシーツの上に裸で二人縺れ合う。



「ん、甘か」

「はぁ、あっ」



お兄ちゃんの頭が私の両足の付け根の間に埋まった。舌の細かい動きや荒い息を感じて脚が震える。脚を閉じようにもお兄ちゃんの手がそれを防いでいた。



「やっ、もぅっ…はやくぅ」

「そげに焦らんでもよか」



ぴっと包装が破ける音がして、見ればお兄ちゃんが避妊具を口にくわえていた。性交をする時に避妊を欠かした事は無い。私は避妊具なんて生まれてこの方買った事が無い。そういえば中学生の時友達が財布にそれを入れていたのを見たきりだ。きっとお兄ちゃんは私の知らない所で、私のためにそれを買って来てくれているのだ。私のためを想って。愛されているのだと実感し少し照れる。そんな事を考えている内にお兄ちゃんは避妊具の装着を終え挿入の体勢に入っていた。また「別の事を考えていたのか」と言われるかと思ったが案外お兄ちゃんも余裕が無いらしく、辛そうな顔で私の応答を待っていた。



「ん…んん!」

「あ、熱かっ」

「ふぁ、あああっ、お兄ちゃんっ」



肉体的な気持ち良さはもちろんお兄ちゃんと繋がる事の出来た満足感に私は震えていた。





100407









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