リゾット事件









「ぶっちゃけ俺のが上手い気がする」

「…HA?」



チーズリゾット作れ作れ言うてたんはどこのどいつでしたっけ。作ったら作ったで文句とかおま、これはもうB型だからとかそういう次元の問題じゃないから。



「…もう作ったらへん。蔵ノ介のドオォォオッ!」

「(ドオォォオッ?)あ、ちょ!」



ドオォォオッ=どあほ
(詳しくは歌劇DVD4A白石vs不二戦空耳参照)






「…という訳なのよ」

「訳なのよとちゃうわ。なんで俺の部屋がお悩み相談室になっとるねん」

「謙也どうしようあいつめっちゃむかつく」

「知らんわ」



確かに蔵ノ介のが手先は器用だし五つ星レベルのレストランのレシピをそりゃもう完璧に再現して見せるんだから私みたいなトーシローが敵う訳ないんですけどね。
けど言い方ってもんがあるよね。



「…せっかく蔵ノ介のために、作ったのに…」
「まぁそれは白石があほやな」

「謙也…」



やだちょっとどうしよう、この謙也かっこいいかもしれない。そのどきどきが謙也にも伝わったのか、謙也も少し頬を染めて目を逸らした。



「こづえ…実は俺…」



コンコン



「前からお前ん事…」



ゴンゴン



「あーもううっさいわ!なんやねん!」



嫌な予感がするのは私だけだろうか。謙也がシャッとカーテンを開けた。



「うわ!しし、白石!」



蔵ノ介が窓に張り付いている。おいここ二階だぞ。イグアナもびっくりだよ。この展開があらかた予想出来ていた私は冷静に窓の鍵を開けた。



「あーよっこらセッ○ス。お邪魔するで謙也」

「…」



謙也ほんと巻き込んでごめん。暫く空気で居てください。



「帰れ」

「こづえ、そらないやろ。せっかく迎えに来たんに」

「どうせ私のリゾット美味しくないんでしょうが」

「ちゃうって」

「何が違うのよ!」

「確かにこづえのリゾットより俺のんが美味い」

「はらたつ…」

「けど可愛え彼女が作ったリゾットやで?俺はもうお前の作った以外のリゾットは食べられへんのや…」

「蔵ノ介…」



ひしと抱き合う私達を謙也が冷めた目で見ていた。











「…ここまでが1セットで週イチのペースで来るんやで」

「きっつ」

「わざわざ相談乗る謙也くんもあほっすわ」




100523
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