水面下の意識








気付けばいつも触られている。



「ユウくん」

「ん」

「…やめて」

「いやや」



ぐりぐりと指の腹を、時折爪を駆使しながら彼は服越しに私の乳首を弄っている。どちらかの部屋で二人きりになると必ずユウジがしたがる行為の一つである。
胸が好きなのは母性を求めている証らしい。彼がマザコンなのかどうかは解らないが、私やお姉系の小春ちゃんに執着する事から考えると少なからず自分を包んでくれる女性像を求めているのだ。
彼の母親は元モデルで、夫のデザインした服を完璧に着こなしていた女性らしい。ユウジが生まれてからも彼女はまだまだ現役で、ユウジは幼い頃に両親と遊んだ記憶が無いのだと云う。



「ふ、やっ…」

「ええ?」

「ん…」



こう何度も執拗に触られては、開発されてしまうのも仕方ない事である。今ではすっかり感じ易くなった胸をユウジは満足げに揉んでいた。



「ん、はぁ…」

「こづえ」

「ひあっ」



ユウジの手がゆっくりと私の服の中を探る。胸に辿り着くと器用に下着を避け、掴んだ。
胸を触っている時のユウジの困ったような、興奮した顔が好きだ。



「こづえ…」



つんと尖った乳首を指でぐりぐりとしながらユウジがキスをせがむ。こういう所は可愛いのにやってる事はいやらしい。



「こづえめっちゃえろい」

「ユウく、んっ」

「…したい」



耳元で囁かれる掠れた声に肩を跳ねさせる。



「…もう、濡れとる?」

「や、あっ、やんっ」

「指きもちええ」



右手で胸をいじりながらユウジの左手が下へ侵入する。スカートを捲り下着を割って挿れられる指をぎゅうと締め付けると、ユウジは嬉しそうに指を動かした。



「ゆびぃ…きもちいっ…」

「こっちは?」

「ひぁあっ!かんだら、らめぇっ」



ユウジが空いていた方の私の胸に顔を近付け、乳首を甘く噛んだ。それでユウジの指をぎゅうぎゅうと締め付けてしまって、その指にまた感じてしまって、声が漏れっぱなしで怖い。



「ユウくぅん…」

「こづええろいなー」

「そんな、こと、は、ぁんっ、きつい、いっ」



指が何本か増え、そこを拡げるようにばらばらと動く。



「ちんこ挿れたまま乳首触ったらどうなるんやろなー…」



そのユウジの呟きに私は熱に浮されたように息を吐くしかなかった。



100521





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