なんだこれ








寝ようと思ったら、白くて、微妙に長くて、綺麗な髪の毛が私の枕の上に落ちていた。それを左手の人差し指と中指でゆっくりとつまみ上げ、右手で携帯をいじる。アドレス帳を[白石蔵ノ介]に合わせ通話ボタンを押した。深夜であるにも関わらず1コールもしない内に繋がった。きもい。

「もしもし」
『ああ、どないしたん?自分から電話とか珍しいなぁ』
「どないしたん、じゃねぇよ」
『こーわー』
「また不法侵入したやろ」
『…』
「…白石?」
『…心閉ざしてた』
「何番煎じやねん」
『まぁ不法侵入は確かやけどな』
「したんかい。なんか私の枕の上に白石の髪の毛らしきものが落ちとったんやけど、何したん」
『…はは』
「…言わな謙也と寝るで」
『あ、アカン!』
「ほな早う言い」
『べ、別に自分のベッドの上に寝転がって枕に顔埋めてスーハースーハークンカクンカ絶頂とかしてへんで』
「この正直者め」
『やろ?』
「…豚野郎」
『あっ、何それめっちゃええやん新境地』
「このどM!変態!匂いフェチ!」
『あーめっちゃゾクゾクくるっ、もっと言うt』

スピーカーの向こうが随分ヒートアップしていて気持ち悪かったので私はすかさず電源ボタンを連打した。あんなのが彼氏とか血迷ったか私。

「いや、全然血迷ってへんで!」
「何でおるねん」

防犯設備の見直しが必要だと思った。



100330





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