ゲシュタルト崩壊寸前
なんできもい白石がもてるんかが解らへん。そんなきもい白石と付き合うとる私も解らへん。白石が告白されるんとかしょっちゅうやし、白石の事好きな女の子はぎょーさんおる。それは付き合う前から知っとったし、しゃーないんも解っとった。白石は匂いフェチで変態でギャグはおもんないけど、優しいし格好ええし頭ええしスポーツ出来るし声も最高やもんな。今更引け目感じても遅いっちゅーねん、私。
「また告られよったやん」
「…あ、妬いたん?」
「妬いとるし」
私が唇をとがらせてそう言うと白石は困ったように肩を竦めて笑った。何でそんな余裕やねん。腹立つわ。
「私が、白石の彼女やん、白石から告白してきたやん」
「せやな」
「告白なんか、受けんといてよ」
「自分、不安なんやろ」
「…きもい」
いい加減余裕ぶった態度になんだかいらついて、自分が悲しくなって、燻っていた嫉妬心を越え涙が滲んだ。いくら頼まれたからって、告白なんか受けんといて欲しい。女子が呼び出したりしたらそれは告白やて解るやろ。むかつくけど言ってまえば私は不安やねん。昨日告白しよった、ふわふわした亜麻色の髪の後輩の女子とか、今日告白した美人な事で有名な隣のクラスのあの人。その人らにいつ白石盗られるかって不安で心配やねん、あほ。
「…白石きもい、しね」
「んー」
「きらいや、あほっ…」
「…ごめんな」
告白を初っ端から断るとか、無理に決まっとる。そんなわがまま言うた私をなんでそないに優しく抱きしめてくれるん。白石はなんで私が好きなん。私は白石なんか。けどほんまは、一番しねって思ったのは、
白石を信じられへん私
100403