No1の女









「せぇ〜んぱいっ!」

「きゃあっ」

「誰でしょうか?」

「えっと、あ、赤也くん?」

「当ったりぃ」



華奢な肩にもたれるように目隠しをして、耳元で吐息混じりにそう聞いたらこづえ先輩は真っ赤になりながら俺の名前を呼んだ。やべ、超可愛い。



「もう…赤也くん!何するの!」

「先輩無防備すぎ!そんなんじゃ立海のマネやってけねぇっスよ?」

「そうかな…私」

「あああ!先輩は今のままでも十分なんスけど!」



こんなに優しくてか弱い先輩が立海の一番のマネージャーとか、入学したての時は正直びびった。幸村部長や真田副部長、柳先輩に囲まれてマネージャーのくせに守られるように居た先輩を最初は興味本位でちょっかいをかけた。壊してやりたい。三人が守る花みたいな先輩を手折ってやりたい。そして気付いた。この人は三強の誰よりも芯が強い。部長が病気で弱った時も副部長がそれにショックを受けた時も立海を支えてまとめていたのは先輩だった。それを知った俺が先輩に惹かれていくのに時間はそうかからなかった。



「こづえ!すまんがボールをもう一グロス頼む!」

「あ、はーい!じゃあ赤也くんばいばいっ」

「ボール重いっすよ?手伝いますって」

「赤也、俺と試合しようか」

「あ、幸村くん」

「げ、ブチョー」

「では俺が手伝おう」

「ありがとう柳くん」



俺は早く三強からこづえ先輩を奪い取りたい。そしていつか声高に宣言してやる。No1のこの学校でNo1の女を守る俺はNo1の男だと。




100318





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