ぴかぴかの
「なーこづえ」
「なぁに?」
「今日から年号が平成から爆笑に変わるねんで」
「うそ!?」
「嘘」
「あっ、酷い、騙した」
「エイプリルフールやもん」
悪戯っぽく笑う金ちゃんにデコピンの制裁。金ちゃんのくせに私を騙すなんて410年早いわ。
「けどな、去年は白石とかのがもっと嘘吐いとったで。オサムちゃんが結婚したー、とか小春がガニ股で廊下走って行ったーとか」
「ふふ」
「でな、ワイはあほやったから、全部に引っ掛かりよったねん」
「うん」
「散々騙して、せやけど最後にみんなは『おめでとう』て言うてくれたねん」
「…うん、うん」
今年から中三になった私と金ちゃん。彼が財前先輩に部長の席譲られてから早半年が経とうとしとった。身長も中一の時に比べたらガンガン伸びて、財前先輩も部活見に来た白石先輩も越すぐらいのでっかい図体しとるくせに、中身はまだまだ子供や。たまに何かのイベントがあって先輩らの事思い出してはため息ついとる。数日後に始まる新学期から本格的に金ちゃんがテニス部仕切らなあかんのに。頼りないわほんま。
「金ちゃん」
「何やの」
「しゃきっとしいや。らしくないで」
「…うん」
「タコ焼き奢ったるから」
「ほんまに!?おおきに!」
食欲に純粋な所は相変わらずや。やっぱり金ちゃんは元気な方がええ。これから先ずーっと、何年先もそんな金ちゃんでおってほしい。先輩らも多分そう言うやろなぁ。みんなが色んな所であほな嘘ついて、笑って、こんな素敵な日に生まれたんや。笑顔でおってや金ちゃん。
HAPPY BIRTHDAY 金ちゃん!
100401