俺とお前で手を繋いで、川のほとりにおるねん。




そしたらお前は俺の手を振りほどいて、川の中に入っていく。
俺が止めようとしたらもう遅くて、お前は沈んでしまった。

途方に暮れる俺に、川の向こう岸におるお前が微笑んで

待ってや、今俺も



「謙也!」



点滴を引き抜こうとした俺の手を白石が掴んでいた。



「お前まで…行ったらアカン」


あいつの居ないここに、どうして留まる必要があろうか。

俺は泣きたくなった。



100601






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