※水鳥ちゃん×天馬ちゃん






(天馬!ちょっとこっち来な)
(えっ?なんですか)
(はやく!)
(へっ、はいぃ!)
(よしっ、じゃあ気をつけ!)
(!? …っはい!)
(目を閉じて)
(…?…はい、閉じました)
(そのままな…)

不安と疑問が入り混じる複雑な気持ちでドキドキしながら目を閉じて待つ。すると顎に水鳥先輩の細い指がふれたのを感じた。次にくいと上に向かされる。
おでこのあたりにくすぐったさを感じると同時にふわりと甘い匂いが鼻腔をくすぐった。まもなく唇を包むやわらかくてあたたかい…

慌てて自分のまぶたを持ち上げてみると水鳥先輩の顔が目の前にあって、閉じられたまぶたを縁取る長いまつげが揺れていて。
キスをされたんだ、と頭が理解するのにだいぶ長い時間を要してしまった。端からは硬直したままキスされるさぞかし間抜けな男子に映っただろう。すっかり顔が熱くなったところで、唇をぺろりとひと舐めされる。

(…っな、ぅあ…!)
(ごほうび、だよ)
(天馬、いつも頑張ってるもんな!)
(水鳥、せんぱぁい…)
(あはは!顔まっか!かわいいなぁ天馬!)

気づいたときには水鳥先輩はいつもと同じようににかっと笑っていて、頭をくしゃくしゃと撫でられた。なんだかからかわれた気分だ。こっちは耳まで熱くて、恥ずかしさで涙まで出たのに、ずるい。

なんだか水鳥先輩には振り回されてばかりな気がする。どうしてかそれが嫌じゃないけれど。

もうきっと午後からの授業にはまったく身が入らないんだろうな、と、いまだ落ち着かない心臓の音を聞きながらぼんやりと思った。








恋緋色びより



(初めての恋はとても、まぶしい色をしていました)









水鳥ちゃんは天馬ちゃん
好きすぎると思うんだ
水天かわいい推す!





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