「…ん、…ッく、ぁ…!や、め…、ぇ…エスカ…ッ!」

ぴちゃり、くちゅ…

舌先でバダップの性器の先をえぐれば、唾液とあふれた透明な蜜が絡まって、卑猥な音で室内が満たされる。

「ひ、…っん、ふ …ぁあ…ッ!」

うすい唇を噛み締めながらも抗えない快感にとろける声がそのすきまから漏れて、それでもなお耐えようとするバダップからは言いようのない艶めかしさを感じて、俺の下半身がどくりと脈打つ。

じゃらじゃらと首元で音を立てる重い鎖に、ぞわりと背から征服欲が這い上がってくるのがはっきりとわかる。

黒い革製の首輪は、バダップの提督への忠誠心を表しているかのように固くごつい。
後ろ手で縛られた縄も、一人二人では簡単には解けそうになかった。

「は…っ…ぐ…、ぅあ…ぁあっ…!?」

口を先程より大きく開けて性器を中に招き入れると、想定外の感覚だったのか上擦った声とともにバダップの切れ長の目が見開かれて、彼の真っ赤な瞳がよく見えた。
ああ、なんて綺麗な赤なのだろう。
これはおそらく彼の眼球の内側にびっしりと巡る血管の色だ。
それすら今は愛おしくて、ほしくて仕方ない。

今まで誰も、バダップ自身さえ触れることのなかっただろう彼の性器に俺は今こうして指をかけあまつさえ唾液すら絡みつかせて。
彼のなにもかもを吸いつくしてしまえそうなほどの近さに酔わされていく。

下半身から沸き上がる膝を折るような甘い痺れに、立ち上がる機会も気力も奪われ力無くまた冷たい床に座りこむ。
それでもなお逃げようとする存外に細い腰をぐ、と引き寄せた。

どうやらそれにバランスを崩したらしい、こちらに体の重みが傾いてきたと同時に、石鹸の香りを含んだ甘い匂いがほのかに鼻腔をくすぐった。






このままあなたをわたしのものにできたならどれだけしあわせなのでしょう




乱れた髪のひとすじすら、この手の中に閉じ込めてしまいたいほどに愛おしいのだ。







生きるために必要なのは、
(水、塩、空気それと彼、)










バダップがほしくて
ほしくて堪らない
そんなエスカバ







×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -