※小さいころの二人





今日もまた、あいつはないている。
あんなやつら、おれならなぐって一発でけちらしてやるのに。

あいつはぼうりょくがきらいだって言う。
いたいことにいたいことでやり返すのはよくないんだとか、教えられたことをまじめに守ってる。
ばかなやつ。
そんな話が通じるなら、けんかなんかおこらないだろ。
考えればわかるじゃないか。

あいつらにいじめられたあと、一人でひざをかかえてくすんくすんと鼻をすするロココを見ていたら、なんだかむずむずしてきた。

ロココのもとに、どかどかとらんぼうに歩いていく。
何も言わないでとなりにすわったら、ロココはびっくりしてこっちを見た。
それにはかまわないで、おれはいつもかみをまとめているバンダナを取る。

ロココは本当にしょうがないやつだ。
そう思いながらなみだでぐしゃぐしゃなロココの顔を、
バンダナでぐしぐしとふいてやった。

鼻の頭が赤くなっていたけど、しばらくしたらロココはわらった。

そうだ、ロココはわらってればいいんだ。
めそめそなくなんてかっこ悪いだろ。

そう言ってやったら、ロココは、ありがとう、ウィンディってさっきよりもいっぱいにわらった。

なんだかむねがくすぐったくて、二人でいっしょにわらった。



わらって わらって(あなたになみだはにあわない)




ウィンロコたぎります





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