※やってるだけ









くちゅ、ち、ぬち…

「は…ぁっ……う、ぁ、んぁ…っ!」

いやらしい水音にまじって、意味を成さない母音が、とぎれとぎれに、シーツの上を滑る。
しめった空気と、あまい熱は
部屋の冷たい空白と合わさって窓を曇らせた。

とろけて滲む、蒼とも翠ともつかないふかい色をした瞳。
しっとり、汗で濡れ、やわらかく光る髪。
白い胸は、呼吸の度に上下して、あかく熟れた飾りは、俺に散々弄ばれ、唾液に塗れてらてらといやらしく光っていた。

「…っは、るゃ…あっ…!」

俺の鼓膜を震わす、風介の、淫らな高い声は、身体の内側へ入り込んで理性をかき崩していく。

朱に染まった目尻に、浮かんだ涙は、舐めてみずにはいられなくて、ぺろり、音と共に
熱いあまい水分が俺の舌をじんわりと侵食していった。

風介の内は、あまりに熱くて
とけてしまいそうででもずっと繋がっていたくて。

風介と、共有している熱が、許容量を越えて、飽和したからだろうか。
意識の、芯が、熱を帯びているように感じた。

ああ、こういうのを、麻薬、って言うんだったっけと、くらりと熱がまわった俺の頭になぜだかこの言葉がこびりついた。






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テーマ「人外ファンタジー」
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