※黛さんのキャラが迷子
※赤司の行動も迷子




僕、赤司征十郎は現在、未だかつてないほど緊張感と高揚感に包まれていた。
それは何故かといえば、本日僕の家に、チームメイトであり恋人でもある千尋が泊まりにくるという予定があるからだ。

捻くれ者で素直じゃない千尋を振り向かせるのはなかなか骨が折れたけれど、素っ気ない態度やつれない言動の中にも、千尋なりに僕を好いてくれているのだなと分かる片鱗はきちんとあるし、何より身体を重ねる時は普段に比べていくらか素直になってくれるので、そういう部分で千尋からのぎこちない愛情を感じていた。
そもそも嫌いなら身体の関係など金をもらったって勘弁だという千尋の言葉から、僕は千尋の一番深い部分を知ることを許されたのだなと解釈している。

そんな千尋が家に来ることになったのは、先日の部活後の会話がきっかけだった。
ウィンターカップが終わった後、三年生である千尋は部活を引退し、大学入試を経て卒業を迎え、僕たち在校生も春休みに入った。とはいえバスケ部の練習は春休みも続いており、休みを利用して実家に帰るということもせず、僕やレギュラーの部員たちは練習に明け暮れていた。
そんな中、千尋がある日突然ふらりと練習中の僕らの元へ姿を現したのだ。卒業して寮も引き払い、実家に帰ったと聞いていた千尋が急に目の前に現れて、思わず手にしていたボールを取り落としたのは記憶に新しい。小太郎や玲央も最初は信じられなかったようで、ぱちくりと目を瞬かせて驚いていた。





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