※モブ×白→京※



知らない雄と交わりながら、白竜の瞳はどこか遠くの景色をぼんやりと映していた。ルビーにも似たそれが今湛えているのは、底の見えない夜の闇だけだった。不規則な律動にその細身を委ねて、喉の奥から漏れる声を隠そうともせずにただこの無意味な繋がりを終わるまで享受する。白竜自身にもわかっているのだ。けれど、心の奥に未だ根づくかさぶたの下の傷が痛む間は、夜の色に似た髪を持つ彼を思い出してしまうから、無理やりにでも別の場所に身体だけでも持っていかないと。
忘れられるわけなどはないが、誤魔化すことならできるから。




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